識学の安藤広大の著書「パーフェクトな意思決定」。これまでの以下の著書も読んできたが、今回の本書も考え方が分かりやすく、自分の苦手な分野だったので考え方を身につけることで仕事もしやすくなるのかと思う。以下の階層別の内容を縦に貫く概念という位置づけとなっている。
・プレーヤー向けの「数値化の鬼」
・マネージャー向けの「リーダーの仮面」
・さらに上の経営層向けの「とにかく仕組み化」
本書には「意思決定をせず「検討します」という状態は残念ながら気持ちいい」とあり、そのとおりだなと。その結果、保留することによる停滞や未来の機会損失を生んでおり、利益を失っていないように見えて「見えないコスト」は確実に発生しているというのも、自分が意識して見ないようにしてきたけど事実だなと。逃げてきていたのがバレバレなんだな。
意思決定が苦手だとはっきり意識したのは、サッカーの審判をしたとき。サッカーやフットサルはプレーするのは大好きだし、観るのも好きなんだが、それ以上に審判をすることはとても嫌いだ。サッカーに誘われても、審判をする可能性があるときは、とても躊躇ってしまう。どうしても試合やプレーに気持ちが入り込みすぎて、客観的に見ることが出来ず、冷静な判断が出来ないという事実があるからだろう。仕事でも似たような感じだろうか、決めることは苦手。
いろんな意見を聞きすぎるということはあるのだろう。いいところでもあると思うのだが、声が大きい人の意見はそれなりに大きく受け止めてしまっているかもしれないし。決定に対する反対意見が間違っているとも思わない。それでも、後戻りになるかもしれないけど、反対意見のほうが正しいのかもしれないけど、決めて進めなければならないという状態が精神的にツラい。
意思決定におけるマインドセットが大事であり、「絶対的に正しい意見はない」「常に正解を出し続けることは出来ない」という前提で、組織の土壌を作る必要があると。とりあえず正しいと「仮説」をたてるにすぎないと。その仮説が間違っていれば修正して進めていくという考え方。また、意思決定には「感情をわきにおく」ことが重要だとも述べており、「サンクコスト効果」や「バンドワゴン効果(同調圧力)」により、間違った意思決定とならないよう数値化して判断すべきというのもそのとおりだなと。
意思決定とセットですべきこととして、「決めたことは全力でやる」ということ。そうしなければ振り返りが出来ない、意思決定が正しかったのかが判断できないということだろう。いわゆるPDCAがしっかりと回るようにしなければならない。ここでも分かるように、必ずしも正しい意思決定(P)である必要はないということ。意思決定の評価者は誰かということに対しては、部下やメンバーではなく、お客さまであったり上司であると。そこを意識することで、部下やメンバーの意見に振り回されにくくなるかもしれない。また、その判断軸として、未来からの視点となっているか。未来の自分や組織が得をしているかどうか。目先ではなく未来。
意思決定を行う課題については、3つに分けて判断すること。1:即決、2:情報不足、3:期限を設定、 この3つに分けて進めていけてないときは、課題に対し個人や組織が停滞してしまっているということを認識しないといけない。
なんだか救われたなと思ったのは、意思決定はある程度まで理論で考えることはできるが、不確実性があり、最後は勇気の部分が残ってしまう、精神論でしか語れないということ。決めることが大事であり、決めたあとどうするかが大事。自分の経験をもとにあとは勘に頼るしかない。新たな経験を得るためにも決めることが大事なんだろう。
本書をそのまま受け止めると、意思決定のハードルが下がったように思う。果たして、受け止めたように進められるかというと、まだ間違うことへの怖さが拭いきれないところはある。ときどき、読み返して考え方を定着できるといいな。
あとは識学の株価も上がってくれると助かる。含み損のままだ。
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