意思決定入門

おしごと
意思決定入門

久々にビジネス書を読んだ。「決めること」が苦手なので、何かしら参考になることがあるかなと。自分のこと、自分にしか結果が跳ね返ってこないことについては決定できるのだが、自分以外に利害が出ることについては、なかなか決められない、というか決めるのがしんどい。

決めるのがしんどいというのは、性格によるものかなと。公正・公平や間違えないことが重要だという環境で育ったのかもしれません。決めることで、人によって利害が異なるので、たとえ事実や正解だと思われることであっても、その人にとって不都合なことであれば間違っているという感情になることもあり。例えば、サッカーの審判をすると、決定権は審判にあり、たとえ間違っている、事実と違う判定をしてしまっても、その判定が正解というルールではあり、プロの審判でも事実と異なる判定をすることもあるのだが、そうであるにも関わらず、自分で審判をし判定するということはとても抵抗がある。プレーしている人からすると、審判の判定が不本意なこともある。相手の感情を考えすぎてしまうところがあるのだろう。

ということで、仕事についてもなかなか決められない事項や苦手な分野があったりする。今後も同じように苦手意識をもつよりは、具体的に改善しないといけないなと思い「意思決定入門」を読んでみた。

はじめに「今ある情報でどのように意思決定するか」「限られた情報しか得られていない段階でいかに質の高い意思決定をするか」が重要であり、そのための意思決定のメソッドを総動員する必要があるということ。その手法や考え方について幅広に書かれているものでした。

いろいろな手法の説明には、ケーススタディが多く書かれており、とても理解しやすい内容でした。入門ということなので、そこから詳しく学びたい人は専門的な本を読んだほうがいいのでしょう、最後に参考書籍の紹介も掲載されていました。以前から興味があったゲーム理論について、何かほかにも読んでみようかな。

意思決定入門の内容

参考になった内容ですが、「資本コスト」について設備投資の検討では今まであまり考慮してこなかったなと。本来であれば設備投資のための投資額について、「資本コスト」についても考慮すべきなのかなと。そうすると今まで以上に複雑な検討が必要だな。

「正味現在価値(NPV)」という考え方は特に使ってきていなかったけど、「IRR(内部収益率)」はExcelで使ってきていたので、理解が深まりました。

ゲーム理論の説明では、値下げ競争を実例を挙げ説明されており、興味深く読めました。

また、人の判断には歪みが出るという内容で「確証バイアス」ということが説明されていましたが、自分にも当てはまる事例が思い出され、改善しなきゃなと。また、「フレーミング」という内容では、思い込みをなくしフラットに物事を捉えたうえで判断しないといけないと理解しつつも、言い方や説明の仕方次第で判断が変わるリスクもあり、伝え方は気をつけないといけないなと。

「サンクコスト」についても記載があり、私も損したくないという気持ちが強くて引きずられてしまうことがよくあり。「すでに使った時間や費用」にこだわって、あまり身が入らず試験に不合格になったけど今まで試験勉強してきたから、来年もとりあえず試験を受けようかと、だらだらと中途半端に勉強して結局また不合格になるとか。結果的に無駄な時間が増えただけ。でも自分には勉強にはなったから無駄ではないと言い聞かせたりなんかして。改善の余地ありだな。

「全体最適」について、最近になってよく考えるようになってきていたので参考になりました。最後に「複数の人で議論する場合、意見が一致するよりも意見が不一致だったときの意思決定のほうが質が高い」というのは、意外だったなと。

間違えないようにしないといけないという思いが強いのために、決定することを邪魔してしまっているというのを自覚してはいて、それで避けてしまっていたところもあるのだけれど、結局はその決定が正しいとか間違いというのは、人によって立場によっても変わることだし。結果は気にせず、自分のなかで納得した決定をして、その後振り返ってみるのを繰り返していくしかないのかな。上手になれるかはわからないけど、自分で納得できるためには必要な情報の絞り込みやリスクの洗い出しなどはやっていかないとな。

この本の内容は興味深いものだったので、専門書とまではいわないけど他の本も読んでみよう。

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